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ケーススタディで見る家族信託


先日の記事では家族信託とは何か?という事について、他制度と比較しながら簡単に
記載をさせて頂きました。
とはいえ概要の説明だけでは、「何となく分かるような気もするが、実際にどんなもの
なのかイメージがつかない」という方がほとんどではないでしょうか。
今回の記事では、そういった方に家族信託のイメージを持って頂けるよう、2つのサンプルケースを紹介させて頂こうと思います。一度ご自身を当てはめてみて頂くと、想像しやすいかと思います。
※紹介するケースの登場人物や財産については、弊社で取り扱った事例を基に作成した架空のサンプルケースとなります。実際はもう少し複雑にはなりますが、分かりやすいよう信託財産は簡素化しております。

1.家族信託の事例:ケース1

1-1.登場人物

母A (83歳)・・・亡夫と地方にて数十年間居住。
           5年前に夫が亡くなり、話し合いの結果長男家へ移住。
           夫から相続した土地と家を所有している。
 長男B(57歳)・・・実家の近くの町に在住。
           母親を心配しており、同居を勧めていた。
           家族信託については聞いたことがある。
 長女C(53歳)・・・実家から離れた町に在住。
           結婚しており、遠いため母親の様子を見に行くこともできない。
           母親と実家の事については兄を信頼している。

1-2.信託財産内訳

1-3.家族の考え

1−4.信託組成

2.家族信託の事例:ケース2

2−1.登場人物

父A (79歳)・・・田舎にて妻と居住していたが、妻は1年前に死亡。
           高齢での1人暮らしは厳しいと考え、面倒を見てくれる
           と言ってくれた息子夫婦と同居をする事に。
 長女B(48歳)・・・他県在住。既婚・子供有り。
           嫁いでいるため実家のことに深く関与する事は難しく、父Aの
           今後の事については弟であるCに一任。
長男C(46歳)・・・都内在住。子供はおらず、妻Dと2人暮らし。
           母の死亡後、父Aを1人にするわけにいかず同居。
           母死亡時の相続手続きを行った時に苦労した為、今後に備えたい。

2-2.信託財産内訳

2-3.家族の考え

2-4.信託組成

3.まとめ

「両親の一方が既に死別しており、現在名義のある不動産や預金などの管理を子供へ任せる」というこの2つのケースは、家族信託の相談として非常に多いパターンで、家族信託のモデルケースと言えるでしょう。

先日の記事でも触れたように家族信託とは「家族の将来の為に行う契約」であり、ヒアリングをさせて頂く時には、まず最初にご家族の構成や関係などお客様のご家族のお話を伺わせていただきます。
「家族の中でしっかりと話し合いがなされ、信託を進める事に家族全員が納得している」ということこそが重要な土台となるからです。
いくら信託が必要な場合でも「子供に安心して財産を預けられない」「お金の事については信用できない」など、家族間に何らかの問題点があるようなら家族信託を進める事はできません。家族信託は柔軟な財産管理ができる側面を持っている為、ご家族の中で十分な理解と話し合いがあってこそ成り立つ契約なのです。

今回は2つの家族信託のサンプルケースをご紹介させていただきました。
全てが当てはまることはないかと思いますが、少しでもイメージを持って頂けたら幸いです。
もし家族信託をするか悩んでいるようでしたら、ささいな質問からでも構いませんので是非一度ご相談下さい。